- プレスリリース
CO2回収技術を開発するカナダのSvante社へ脱炭素テックファンドを通じて出資
ENECHANGE(エネチェンジ)株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:城口洋平、代表取締役COO:有田一平)は、運営参画する海外特化型の脱炭素テックファンド「ジャパン・エナジー・ファンド」(以下、脱炭素テックファンド)を通じて、カナダのSvante Inc.(以下、Svante社(読み方:スヴァンテ))に出資いたしましたのでお知らせします。脱炭素テックファンドを通じた出資は5社目となります。
カナダのSvante社は、二酸化炭素低減が困難な産業のための二酸化炭素回収(カーボン・キャプチャー)の技術を提供する企業です。同社は、既存の産業インフラに非侵入型の配管端ソリューションを提供し、ギガトン(GT)規模でパイプライン対応の安全に貯蔵できる二酸化炭素を提供しています。
今回の3億1800万ドルのシリーズE資金調達ラウンドは、Chevron社がリードしており、石油・ガス気候イニシアチブ(OGCI)やシンガポールのテマセク社などの既存投資家に加え、脱炭素テックファンドを含む新規投資家も参加しています。今回調達した資金は、Svante社が有する二酸化炭素回収技術のさらなる前進に使用される予定です。
背景
ネットゼロを達成するためには、電気自動車から革新的な炭素の回収・貯留方法まで、現在の産業を脱炭素化するための豊富なソリューションが必要となります。日本では、経済産業省が「大気中からの高効率な CO2回収方法について技術開発を進め、低コスト化を実現し、2050 年の実用化を目指す。」という目標を掲げています※1。この目標を達成するためには、技術の拡張性と実行性を確保するために、多額の投資が必要になります。Svante社のCO2回収技術は、将来的に大きな成長が期待できるとともに、投資を抑えながら大規模にCO2を回収できるため、ネットゼロを目指す石油・ガス会社にとって重要な技術となっています。また、Svante社は、エネチェンジが主催するエネルギーイノベーションプログラム「ENECHANGE Insight Ventures in 2021」で最優秀賞を受賞した企業の一社でもあります。
*1 経済産業省「2050 年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(令和3年6月18日)
https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210618005/20210618005-3.pdf
Svante社の二酸化炭素分離回収技術について
2007年の設立以来、Svante社はフィルターと呼ばれる構造化吸着床を用いた炭素捕捉・除去技術を開発してきました。炭素捕捉技術の導入は、その規模とコストが産業界への導入の障壁となっていました。Svante社のモジュール式固体吸着剤技術は、産業界の排ガスからCO2を捕獲するために設計されています。そして、純度95%のパイプライングレードの高純度CO2に濃縮し、貯蔵やさらなる産業利用に向けて準備します。この技術は、通常低圧で排出される希薄な排ガスに含まれる窒素からCO2を分離するという課題に特化しています。Svante社の技術は、水素、紙パルプ、石灰、セメント、鉄鋼、アルミニウム、化学などの分野における産業界の脱炭素化をターゲットにしています。また、同社のフィルターは、空気の直接捕集やCO2の除去にも利用することが可能です。
Svante(スヴァンテ)社について
Svante社は、排出量の多い産業が既存のインフラから排出される大規模なCO2を回収し、安全に保管したり、さらに産業利用するための商業的に実行可能な方法を提供します。環境的に持続可能な方法で、産業界、あるいは大気から直接CO2を回収することにより、Svante社は産業規模の炭素回収と炭素除去を現実します。Svante社の取締役には、ノーベル賞受賞者で前エネルギー省長官のSteven Chu氏が名を連ねています。
URL:https://svanteinc.com/
関係者のコメント
ENECHANGE株式会社 代表取締役CEO 城口 洋平
ENECHANGE Insight Venturesでの最初の出会いからさらに発展し、Svante社への投資を発表できることを大変うれしく思います。一刻も早く脱炭素社会を実現するために、Svante社は真のソリューションを提供します。日本政府が2050年までにネットゼロを目指すことを考えると、Svante社の炭素回収技術は、日本においても、排出衰退が困難な産業に革命を起こすことができると確信しています。
Svante CEO、Claude Letourneau
当社の投資家としてジャパンエナジーファンド(脱炭素テックファンド)を迎えることができ、大変嬉しく思っています。私たちは、日本全国に広がる脱炭素テックファンドのネットワークを活用し、日本市場での提携と拡大を図るとともに、当社の技術を世界展開を加速させ、全世界の脱炭素化に貢献したいと考えています。
脱炭素テックファンドの目的と投資方針
欧米を筆頭に再生可能エネルギー普及拡大に必要な需要コントロールやエネルギー効率化、電気自動車(EV)や充電設備、蓄電池のなど脱炭素社会の実現に必要なテクノロジーの開発が積極的に行われています。本ファンドは、先行する海外の技術や事業を取り込み、日本国内での優先的事業展開や事業シナジーを生むことで、脱炭素社会の実現を加速させることを目指しています。
◎Japan Energy Fundウェブサイト: https://www.japanenergyfund-ventures.com/
JAPAN ENERGY ファンド(脱炭素テックファンド)の概要
ファンド名称 | Japan Energy Capital 2号ファンド(英名:Japan Energy Capital 2 L.P.)
通称:脱炭素テックファンド(JAPAN ENERGYファンド「JEF」) |
ファンド組成日 | 2021年9月30日 |
投資方式 | キャピタルコール方式 |
投資対象 | 脱炭素分野の海外エネルギーベンチャー企業 |
ファンド規模 | 50百万USドル規模 |
運用期間 | 2031年9月まで |
無限責任組合員 | Japan Energy Capital 合同会社 |
有限責任組合員
※2022年12月1日時点 |
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●脱炭素テックファンドに関するプレスリリース
「海外特化型の「脱炭素テックファンド」を設立」(2021年9月30日)
https://enechange.co.jp/news/press/decarbonized-tech-fund/
「洋上風力のデジタルツイン技術を有するスイス本社のベンチャー企業「アクセロス」へ脱炭素テックファンドを通じて出資」(2022年5月9日)
https://enechange.co.jp/news/press/jef-akselos/
「家庭向けに革新的なデマンドレスポンスサービスを提供する 米「オームコネクト」へ脱炭素テックファンドを通じて出資」(2022年6月9日)
https://enechange.co.jp/news/press/jef-ohmconnect/
「ENECHANGE、環境負荷の低い独自のニッケル亜鉛電池を開発した 「ジンクファイブ」へ脱炭素テックファンドを通じて出資」(2022年6月15日)
https://enechange.co.jp/news/press/jef-zincfive/
ENECHANGE株式会社
ENECHANGE(エネチェンジ )は、「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げ、脱炭素社会をデジタル技術で推進する脱炭素テック企業です。2015年創業、2020年東証マザーズ(現 東証グロース)に上場(証券コード4169)し、「エネルギーの4D(自由化・デジタル化・脱炭素化・分散化)」分野でのSaaS事業を中心に急成長を実現しています。当社のルーツは、自由化先進国のイギリス・ケンブリッジでの電力データ研究所にあり、エネルギーデータの解析技術とグローバルなネットワークが特徴です。
名称 :ENECHANGE株式会社
所在地 :〒104-0031 東京都中央区京橋3−1−1 東京スクエアガーデンWeWork内14階
URL :https://enechange.co.jp
■報道関係のお問い合わせ先
ENECHANGE株式会社 広報
Mail:pr@enechange.co.jp
※本プレスリリースは、ENECHANGE株式会社、BIPROGY株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社、三井住友信託銀行株式会社による投資運用業務の提供や特定の運用商品の勧誘を目的とするものではありません。ENECHANGE株式会社、BIPROGY株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社、三井住友信託銀行株式会社は、本プレスリリースにより上記のファンド等について勧誘を行うものではありません。