環境省が提唱するゼロカーボンドライブの実現を目指した社会実験、2023年「EVゼロカーボンドライブ実証キャンペーン」の結果を公表
- EV充電
- 実証実験
ENECHANGE(エネチェンジ)株式会社 (本社:東京都中央区、代表取締役CEO:丸岡智也)は、2023年11月に株式会社電力シェアリング(以下、電力シェアリング)と株式会社サイバー創研(以下、サイバー創研)と共同で実施した電気自動車(EV)の指定時間帯での充電を促す社会実証実験(以下、本実証実験)の結果を公表いたしました。
環境省は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動「デコ活」を実施しています。本実証実験は、この「デコ活」の一環の取組として実施している「ナッジ×デジタルによる脱炭素型ライフスタイル転換促進事業」(※1)として、電力シェアリングとサイバー創研が2023年度に実施した、「街中の充電スポットにおける電気自動車(EV)の充電を再生可能エネルギーの比率の高い、晴れた昼間の時間帯へシフト(「昼充電」)することに関する予備的な実証実験」となります。
※1 2024年6月7日(金)「環境省ナッジ事業の結果について ~電力消費昼シフト実証(上げ・下げDRによるピークカット・ピークシフト及びCO2削減)~」(https://www.env.go.jp/press/press_03240.html )
昼間の再エネ余剰電力をEVに活用する、EVの「昼充電」
EVの「昼充電」は、EVの充電タイミングを現在標準的な夜間の充電から再エネ比率が比較的高い昼間の時間内での充電を促す取り組みのことで、EV化による環境貢献を最大限享受する充電スタイルになります。電力系統の脱炭素化、さらには需給がひっ迫している時間帯から充電時間を昼間にシフトすることで、電力系統の混雑緩和に寄与し、電力供給の安定性向上に貢献します。
2023年「EVゼロカーボンドライブ実証キャンペーン」
当社が運営する「EV充電エネチェンジ」の充電器を利用するアプリユーザー717名を対象に、2023年11月1日(水)から2023年11月22日(水)までの3週間で実施しました。対象者は、当社から送信されるメールを受信し、指定時間帯に「EV充電エネチェンジ」アプリを利用して充電を行い、実験から得られた充電データを収集・分析(※2)を行うことでCO2削減量の算定を行いました。
※2 充電記録のデータ利用時は個人を特定できる情報を匿名化して分析しています。
◯実証実験参加者及び介入内容
参加者を無作為に対象群と介入群(1から3)のいずれかに割り当て、実証期間中に「EV充電エネチェンジ」アプリを利用して当社の充電スポットで1回以上充電をした人を対象に効果を検証を行いました。(図1)
- 対象群:ナッジを提供せず、「EV充電エネチェンジ」アプリでEVの充電内容を記録するグループ(180人)
- 介入群:対照群の内容に加え、昼充電の意義として再生可能エネルギーの比率の高い時間帯における充電がCO2排出削減に貢献することを伝えるとともに、少額の金銭的インセンティブとして昼充電の実施に応じてクーポン(1回当たり50円相当)を提供するグループ(介入群1〜介入群3、各179人)
◯結果
対照群と介入群の間の比較において、昼充電実施者の割合に関して統計的有意差が検出されました。昼充電実施者の割合は、対照群では約58%であったのに対し、介入群では約90%となり、昼シフト・上げDRの効果としての昼充電実施者の増加率は54%となりました。(図2)
◯参加者のご意見・ご感想
・昼間の再生可能エネルギーを積極的に使うことを意識するようになった。
・このキャンペーンに参加するまで昼間の電気がクリーンという発想を持っていなかったためとてもいい意識転換になりました。
・こうした取り組みを経て、消費者が環境負荷の無いエネルギーの使用について自分事化していくことができると思います。
◯今後について
2023年度の予備的な実証実験の結果を踏まえて、実証実験の参加人数や実施期間、介入内容の見直し(とりわけ、どのナッジの要素に効果があるのか、要素間の相乗効果があるのか等について)を行い、EVのユーザー団体やEV充電事業者(ENECHANGE)、昼充電に係る団体、複数の地方公共団体等との連携により、社会実装時のビジネスモデルを念頭に、ナッジ等の行動科学の知見を活用した自発的な行動変容や機器制御を通じて、自宅及び街中それぞれにおける本格的なEV昼充電の実証実験を実施する予定です。
概要
◯モニター募集期間:2023年9月28日(木)〜2023年10月22日(日)
◯募集方法:キャンペーン特設サイトから応募 (https://enechange.co.jp/zerocarbon-drive/)
◯参加人数:717ユーザー
◯実証期間:2023年11月1日(水)〜2023年11月22日(水)(3週間)
◯参加者による期間中の充電回数:127回
ENECHANGEの取り組み
日中時間帯のEV充電定額プラン「エネチェンジパスポート」
「EV充電エネチェンジ」では、2024年5月から日中時間帯のEV充電定額プラン「エネチェンジパスポート」をスタートしています。エネチェンジパスポートは、太陽光発電等の出力が増加し余剰電力が生じやすい日中時間帯にEV充電を促し、ユーザーにも経済的メリットを提供するDR型の定額プランです。利用時間は午前7時から午後4時までの9時間で、太陽光発電等によって生じた余剰電力が増加する時間帯にEV充電の使用が促進されることにより、再エネ電力の積極的な活用による環境負荷の低減にも寄与できるものと考えています。
URL:https://ev-charge-enechange.jp/for_drivers/passport/
■関連する報道発表
・2023年9月28日(水)ENECHANGE株式会社発表「ENECHANGE、電力シェアリングとサイバー創研と共同して、環境省が提唱するゼロカーボンドライブの実現を目指した大規模な社会実験を実施」(https://enechange.co.jp/news/press/evzerocarbondrive/ )
・2024年6月7日(金)環境省報道発表「環境省ナッジ事業の結果について ~電力消費昼シフト実証(上げ・下げDRによるピークカット・ピークシフト及びCO2削減)~」(https://www.env.go.jp/press/press_03240.html )
・2024年8月13日(火)株式会社電力シェアリング発表「株式会社電力シェアリングは、ENECHANGE等と共同でEV充電の最適化を促す「デコ活」ナッジ実証実験を実施しました」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000119617.html)
ENECHANGE株式会社
ENECHANGE(エネチェンジ )は、「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げ、脱炭素社会をデジタル技術で推進する脱炭素テック企業です。2015年創業、2020年東証マザーズに上場(現 東証グロース市場上場、証券コード4169)し、「エネルギーの4D(自由化・デジタル化・脱炭素化・分散化)」分野でのSaaS事業を中心に急成長を実現しています。当社のルーツは、自由化先進国のイギリス・ケンブリッジでの電力データ研究所にあり、エネルギーデータの解析技術とグローバルなネットワークが特徴です。
名称 :ENECHANGE株式会社
所在地 :〒104-0031 東京都中央区京橋3−1−1 WeWork東京スクエアガーデン内14階
URL :https://enechange.co.jp