- プレスリリース
2023年 年頭所感
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
2022年は、ロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー危機の影響が当社を直撃したことにより、「守り」を強いられた年でした。売上高予想下方修正等の業績悪化に直面し、当社創業以来、最も厳しい1年だったと思います。
急激な市場環境変化を受け、プラットフォーム事業では守りを固め利益確保をする一方で、EV充電事業へ補助金活用による積極投資の継続など、「守りながら攻める」経営に機動的に転換することができました。
昨年の年頭所感では、「2022年は脱炭素革命が自分ごとになる年」と位置付け、積極投資により①プラットフォーム事業の売上拡大、②EV充電事業の国内ナンバーワン地位固め、を掲げました。①は、エネルギー危機により足踏みとなりましたが、②は公約の早期3000台受注も前倒し予定です。市場環境が激変してしまったため評価は難しいですが、EV充電事業を軸に「トンネル(業績悪化)の出口」も見据えることが出来ています。
残念ながらエネルギー事情、国際秩序は、ロシア・ウクライナ戦争以前にはそう簡単に戻らないでしょう。資源小国の日本においては、再エネ・原発・EV等による自給的なエネルギーの重要性が高まり、GX(グリーン・トランスフォメーション)の重要性がさらに高まります。
2023年、当社は「再スタートの1年」だと位置付けます。エネルギー危機という試練の年を経て、事業・収益構造を転換し、プラットフォーム事業、EV充電事業を軸とした再成長を目指します。
プラットフォーム事業は、市場連動型の電気料金や、度重なる料金改定等により複雑化する電気料金の中で、消費者の立場で電気を選ぶ当社の役割はより重要になっています。電力市場の正常化はまだ過渡期であり楽観できませんが、段階的な業績回復を見込みます。
EV充電事業は、EV充電器の設置・利用開始による本格化な業績貢献を見込みます。日本のEV充電で圧倒的ナンバーワンの地位を確立するためにも、積極的な広告投資、様々な企業との提携、新サービス発表などを行います。
株価に関しても、多くの株主様に応援いただいているのにも関わらず、公募時の発行価格2,792円(公募後の株式分割考慮後)を大きく下回って推移している点は、大変申し訳なく思っております。株式市場のグロース企業への逆風に加えて、エネルギー危機の影響による業績悪化とダブルパンチを受け苦戦しています。昨今の株式市場においては、事業の収益性が重視される局面であると理解しており、当社も収益基盤強化を重視し2022年度比で赤字額を縮小、早期に黒字化を目指す方針です。
最後に、少し縁起のいいニュースを紹介します。私のオフィスに飾ってあるユニコーン像(2021年末の時価総額1,000億円突破記念)です。2022年、不運にも引越し時に損傷(ツノが折れ行方不明)になり、ただの馬になっており、「当社の苦難を体現しているなあ。」と思っていました。年末の大掃除の際に、ツノが発見され、先ほど修復を完了しました。当社の試練を体現する「手負いのユニコーン像」として、「再スタート」の験担ぎと期待しています。
本年もより一層のご高配を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。末筆ながら、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
ENECHANGE株式会社 代表取締役CEO 工学博士
城口 洋平