- プレスリリース
配電レベル取引プラットフォームやフレキシビリティサービスを展開する英国Piclo社へ脱炭素テックファンドを通じて出資
ENECHANGE(エネチェンジ)株式会社 (本社:東京都中央区、代表取締役CEO:城口洋平、代表取締役COO:有田一平)は、ジャパン・エナジー・ファンド(JEF)が運営する「脱炭素テックファンド」を通じて、Piclo社(読み方:ピクロ)に出資したことをお知らせします。Piclo社は、英国に本社を置く企業で、分散型電源の効率的な売買を可能にするオンラインマーケットプレイスを提供しています。脱炭素テックファンドを通じた出資は6社目となります。
今回の830万英ポンド(1000万米ドル)のシリーズB資金調達ラウンドには、Future Energy Ventures(ドイツ)やClean Growth Fund(英国)など、新規および既存の投資家からの資金提供が含まれています。
背景
エネルギーミックスがさらに進むこれからの脱炭素社会において、エネルギーの需要と供給のバランスを確保するためには分散型電源の能力(フレキシビリティ)を効率化できるグリッドシステムが必要とされています。これらをうまく統合するためには、需要を予測し、最も必要な場所にエネルギーを正確に分配することが重要であり、複雑な取引を行う必要があります。Piclo社のマーケットプレイスは、フレキシブルアセット所有者とグリッドオペレーターの間の購買を促進することで、複雑な取引を可能にします。
日本では、2022年に電力の予備率が持続可能なレベルを下回り、3月に政府が初の電力需給ひっ迫警報を発令するにいたりました。6月にも同様の警報が発動され、2023年も大都市圏ではエネルギー供給が制限されると予想されている*1ため、Piclo社のソリューションは日本におけるエネルギー市場においても必要なプラットフォームとして期待されています。
*1. 日経アジア、「東京、2023年まで電力供給が逼迫」https://asia.nikkei.com/Business/Energy/Tokyo-faces-tight-power-supply-through-2023
Piclo社のフレキシビリティ・サービス・マーケットプレイス「Piclo Flex」について
Piclo社のシステム・オペレーター(SO)は、フレキシビリティを大規模に調達することを可能にします。Piclo Flexは、再生可能エネルギー、蓄電池、電気自動車などの技術が配電網に局所的な柔軟性を提供し、脱炭素社会への複雑な移行を円滑にし、低コストで強靭な送電網を提供することを可能にします。このプラットフォームは、SOが柔軟性のニーズに応じて加入できる一連の機能モジュールで構成されています。このオールインワンソリューションは、市場参入からプロセスの自動化、顧客サービスにいたるまで、すべてを提供します。
Piclo社について
Picloのミッションは、送電網の脱炭素化です。私たちは、エネルギーネットワークをよりスマートで柔軟なものにし、持続可能なものにするソフトウェアソリューションを開発しています。当社の主力製品であるPiclo Flexは、エネルギーフレキシブルサービスの独立系マーケットプレイスとして業界をリードしており、システム運用者(National Grid ESOやUK Power Networksなど)が、需要の多い時や供給が少ない時に、柔軟なサービス提供者(EVなど)からエネルギー柔軟性を調達できるようにしています。2022年現在、Picloは55,000以上の柔軟性資産を登録し、総額5,700万ポンド以上の柔軟性契約を締結、16.6GWの柔軟性容量を登録、110GWの柔軟性容量を調達しています。Picloは現在、世界の6つの市場で、柔軟に設定するサポートしています。英国での主導的地位の他に、Picloは欧州と米国で存在感を高めています。
URL: https://www.piclo.energy/
Piclo CEO兼共同創業者 James Johnston氏のコメント
日本の脱炭素テックファンドがピクロを支援し、2050年までに脱炭素グリッドを実現するという私たちのビジョンを実現するために選ばれたことを大変嬉しく思っています。私たちのマーケットプレイスを通じた柔軟性ソリューションが、ネットゼロへの世界的な旅において重要な役割を果たし、英国ですでに達成した大きな進歩を土台に、低コストでエネルギー安全保障の向上を実現することにつながると信じています。ネットゼロを達成するために必要なソリューションを提供する英国のクリーンテック・エコシステムの一員となることは、とてもエキサイティングなことです。
ENECHANGE株式会社 代表取締役CEO 城口洋平のコメント
日本で独自のエネルギーデータ事業を構築し、成長させてきた経験から、Picloのエネルギーマーケットプレイスは有望だと考えており、その成長をサポートしたいと考えています。さらに、ネットゼロを達成するためには、グリッドの脱炭素化が重要な目標の一つであり、そのための排出削減量は200億トン以上と見積もられています。Piclo社のソリューションとミッションは、この目標に直接合致しており、今回の資金調達ラウンドで投資家のひとつとして参加できることを嬉しく思っています。
脱炭素テックファンドの目的と投資方針
欧米を筆頭に再生可能エネルギー普及拡大に必要な需要コントロールやエネルギー効率化、電気自動車(EV)や充電設備、蓄電池のなど脱炭素社会の実現に必要なテクノロジーの開発が積極的に行われています。本ファンドは、先行する海外の技術や事業を取り込み、日本国内での優先的事業展開や事業シナジーを生むことで、脱炭素社会の実現を加速させることを目指しています。
◎Japan Energy Fundウェブサイト: https://www.japanenergyfund-ventures.com/
JAPAN ENERGY ファンド(脱炭素テックファンド)の概要
ファンド名称 | Japan Energy Capital 2号ファンド(英名:Japan Energy Capital 2 L.P.)
通称:脱炭素テックファンド(JAPAN ENERGYファンド「JEF」) |
ファンド組成日 | 2021年9月30日 |
投資方式 | キャピタルコール方式 |
投資対象 | 脱炭素分野の海外エネルギーベンチャー企業 |
ファンド規模 | 50百万USドル規模 |
運用期間 | 2031年9月まで |
無限責任組合員 | Japan Energy Capital 合同会社 |
有限責任組合員
※2023年3月23日時点 |
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●脱炭素テックファンドに関するプレスリリース
「海外特化型の「脱炭素テックファンド」を設立」(2021年9月30日)
https://enechange.co.jp/news/press/decarbonized-tech-fund/
「洋上風力のデジタルツイン技術を有するスイス本社のベンチャー企業「アクセロス」へ脱炭素テックファンドを通じて出資」(2022年5月9日)
https://enechange.co.jp/news/press/jef-akselos/
「家庭向けに革新的なデマンドレスポンスサービスを提供する 米「オームコネクト」へ脱炭素テックファンドを通じて出資」(2022年6月9日)
https://enechange.co.jp/news/press/jef-ohmconnect/
「ENECHANGE、環境負荷の低い独自のニッケル亜鉛電池を開発した 「ジンクファイブ」へ脱炭素テックファンドを通じて出資」(2022年6月15日)
https://enechange.co.jp/news/press/jef-zincfive/
「電気自動車向けワイヤレス充電の世界的リーダーであるWiTricityへ脱炭素テックファンドを通じて出資」(2022年7月13日)
https://enechange.co.jp/news/press/jef-witricity/
「CO2回収技術を開発するカナダのSvante社へ脱炭素テックファンドを通じて出資」(2022年12月19日)
https://enechange.co.jp/news/press/jef-svante/
ENECHANGE株式会社
ENECHANGE(エネチェンジ )は、「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げ、脱炭素社会をデジタル技術で推進する脱炭素テック企業です。2015年創業、2020年東証マザーズ(現 東証グロース)に上場(証券コード4169)し、「エネルギーの4D(自由化・デジタル化・脱炭素化・分散化)」分野でのSaaS事業を中心に急成長を実現しています。当社のルーツは、自由化先進国のイギリス・ケンブリッジでの電力データ研究所にあり、エネルギーデータの解析技術とグローバルなネットワークが特徴です。
名称 :ENECHANGE株式会社
所在地 :〒104-0031 東京都中央区京橋3−1−1 東京スクエアガーデンWeWork内14階
URL :https://enechange.co.jp
■報道関係のお問い合わせ先
ENECHANGE株式会社 広報
Mail:pr@enechange.co.jp
※本プレスリリースは、ENECHANGE株式会社、BIPROGY株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社、三井住友信託銀行株式会社による投資運用業務の提供や特定の運用商品の勧誘を目的とするものではありません。ENECHANGE株式会社、BIPROGY株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社、三井住友信託銀行株式会社は、本プレスリリースにより上記のファンド等について勧誘を行うものではありません。