決め手は圧倒的なスピード感!東京電力エナジーパートナーさんの『EMAP』導入事例をご紹介
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東京電力エナジーパートナー株式会社は、電力自由化開始にあわせWebの診断機能や申し込みページなど自社でシステム開発を進めていましたが、短期間かつ低コストでの機能実現のため「EMAP Simulation」の導入を決意しました。「圧倒的なスピードで、無事サービスを立ち上げることができました」と語る当時からの担当者、サービスソリューション事業本部の今野拓也さんと笠原啓史さんにお話をうかがいました。
※インタビューの内容は取材時のものになります。
東京電力エナジーパートナー 笠原さん(左)、今野さん(右)
導入プロダクト:EMAP Simulation(診断サービス)
ENECHANGEが運営する電気とガスの比較サイト「エネチェンジ」のために開発した電力予測アルゴリズムによる料金シミュレーションやユーザビリティを考慮したUIを用いた診断サービスです。全国各地域での気象条件の違いや世帯別、時間帯別の電力消費を予測し、ユーザーに最適な診断結果を提供しています。EMAPとは:
クラウド型ソリューション『EMAP』(Energy Marketing Acceleration Platform)は、ENECHANGE社が自社の比較サイト「エネチェンジ」や電力小売事業者への営業で培ったノウハウを凝縮し、小売事業に必要なプラットフォームをすべてカバーするマーケティングプラットフォームサービスです。
電力自由化で浮き彫りになった課題
――おふたりの業務について教えてください。
笠原さん:電気やガスのWeb申し込みにかかわる業務全般を担当しています。システム開発を含むサイト構築から、その運用、調整、Web受付の促進までと幅広く関わっています。
今野さん:以前からWebには関わっていて、電力自由化のタイミングでは、同様に、Web申し込みや料金プランの診断機能の構築などに関わる業務を担当していました。現在は、実際のオペレーションを、Webでどう効率化するかを中心にシステム構築で解決していく業務を担当しています。今後、Webをよりお客様に利用していただくための施策検討やWebによるプロモーションに関わる検討などの業務を笠原と一緒に進めています。
――導入当時の課題を教えてください。
今野さん:スピード、コスト、体制はずっと抱えてきた課題でしたが、導入当時の課題は大きく2つです。1つは、試算サイトなど自社サービスに関わるものは、自社で開発するというスタンスだったんですね。ところが、メニュー数やロジックが多いとテストのケースも多くなりますし、開発にはどうしても膨大な時間とコストがかかっていました。開発後のメンテナンスといった面でも課題がありましたね。
もう1つは、新メニューの開発です。当時、電力自由化を迎えるにあって、まずは私たち東京電力が自由化開始と同時に新しいメニューをお客様に提案および提供することが必然と考えていました。新しいメニューに加入していただくためには、電気料金がいくらになるかを、お客様が試算し、どれくらい安くなるかを見て納得いただく必要がある、すなわち、自由化開幕までに新しい試算サイトを開発する必要だった、というのが2つ目の課題でした。
――大手電力としての重責があったんですね。導入を決めたきっかけは何だったのでしょう。
今野さん:自社開発以外に、もっとかんたんでスピーディーにできる方法の検討をしているなかで、ENECHANGEさんが候補にあがったんです。EMAPなら、すでにある試算ロジックを汎用的な形で導入できると聞いて、「これなら短期間での導入が可能なのではないか」と思い導入を決めました。当時、すでに試算サイトで先陣を切っていたENECHANGEさんに協力をもらえないかと声をかけさせていただきました。
スピード感を重視したプロダクト導入で大手電力としての責務を解決
――導入までのスピード感はどうでしたか。
今野さん:実質、数カ月で最初の試算サイトを提供いただきました。このスピード感は考えられないことなので当然ながら魅力を感じましたね。自社開発だと、企画して、ロジックを考えて、開発して、テストして、とやっていたら当たり前のように半年、1年ってかかりますから。試算などユーザーニーズに直結する部分は、他社に勝つためにはスピードが重要です。そのためにはスピーディーに開発できるということは非常にメリットだと思いますね。
――開発におけるやりとりはスムーズに行えたのでしょうか?
今野さん:既に構築できているロジックを汎用するという前提があったので、弊社向けにUI等を調整させていただいたくらいでしたね。ある程度パッケージ化されているので、EMAPのロジックや仕組みに逆に合わせるかたちをとっていきました。ENECHANGEさんは既に電気料金の仕組みやロジックに精通しており、UI・デザインについても提案いただきながら進められたので、要件や仕様の合意がスムーズでしたね。
――導入してよかったことを教えてください。
今野さん・笠原さん:システムやサービスは、つくったら終わりではありません。お客様のニーズに合わせるために、改修したいことがどんどん出てきます。EMAPは、クラウド型なので納品して終わりではありません。ニーズに合わせた改修をお願いすると、スピード感をもって解決してくれるので助かっています。明らかに、従来と比較してスピードの早さを感じています。
――ほかに導入メリットはありましたか?
今野さん:EMAP Simulationが電話受付業務の助けになったというのはありますね。
「切り替えたらどのくらい安くなるの?」といったお問い合わせが多くあったのですが、EMAP Simulation を導入したことで、Web上で試算をしてその場でお答えできるようになり、お客様対応のスピード向上に繋がりました。当時、電力自由化開始のタイミングに加えて、引越しシーズンも重なっており、多くのお問い合わせやお申し込みのご希望に迅速にお応えするかが課題でしたが、非常に助かったと感じています。
――ちなみに、ENECHANGEとの最初の接点はなんだったんでしょう。
今野さん:最初の接点は、家庭向けの無料Webサービス「くらしTEPCO」ですね。もともと株式会社エプコさんとして、現在のENECHANGE社長の有田さんとお話させていただく機会があり、「くらしTEPCO」をやろう!と決まったときに、色々な社外の知見を取り入れることを相談させていただきました。その社外の知見がENECHANGEさんだったんです。
社長の有田さんが、まだイギリスにいらっしゃったときにテレビ会議で、電気代や電気使用量などをエリアや条件に合わせて試算するロジックや、そのロジックを活用した取り組みについて説明を受けました。そのお話を聞いて、我々の試算サイトでもエリアや条件にあわせて金額などを試算するというロジックをうまく活用できるのではないかと思ったんです。
※株式会社エプコはENECHANGE株式会社の株主でもあります。
すべてはお客様のために、Webの利便性を追求し続ける
――今後の事業展望をお聞かせください。
今野さん・笠原さん:我々東電EPは、「電気」という枠から一歩外に踏み出して、ガスも含めた総合エネルギー企業を目指しています。2017年4月のガス小売自由化のタイミングで、ガス小売事業にも参入し、更なる販売拡大を進めています。電気事業では、従来の東京電力エリア外でも拡大を目指しており、今後は電気、ガスともに供給エリアの拡大や、新たなサービスの拡充などに取り組み、より広いお客様に様々な東京電力エナジーパートナーの価値を提供していければと考えています。
――今後、ENECHANGEにはどのようなサービスを望んでいますか。
笠原さん:Webの活用で円滑にお客様対応できれば、何よりユーザーメリットが創出されると思っています。やはりお客様の利便性を向上させることは最も重要ですし、それを実現させていくために複数のプロダクトやノウハウをENECHANGEさんにはご提供いただいているので、これからも色々な連携でご協力いただければありがたいですね。
――最後にENECHANGEへの期待をお聞かせください!
今野さん・笠原さん:これまではWebによる料金診断や申し込みに関するサービスを提供いただいてきましたが、ENECHANGEさんで蓄積された幅広い知見などを生かして、デジタル領域でお客様に合ったサービスや付加価値提供のために今後も協力いただきたいと考えています。小さく始めて大きく育てていくというのを一緒にできるパートナーとして、ENECHANGEさんには期待しています。
――今野さん、笠原さん、今回は貴重なお話をありがとうございました!