Global Business Innovation Programme(GBIP)の開催報告
- 広報ブログ
1月29日(火)東京・大手町で開催した、Global Business Innovation Programme(GBIP)イベントの様子を広報チームがお届けします。
GBIPイベントとは
午後1時を回ったころ、会場に続々と英国エネルギースタートアップ企業がやってきました。スタートアップとひとくくりにできないほど、すでにイギリスを飛び出してビジネスを展開している企業もあり、その中には半年ぶりに再会した企業のCEOの姿も!
GBIPは、英国政府機関の「イノベートUK」とENECHANGEグループが合同開催したビジネスマッチングイベントです。エネルギー分野で先端技術を持つUKスタートアップと、協業先や投資先を求める日本企業とのビジネスマッチングを目指して開催いたしました。当日は、UKスタートアップ13社に対し、約30社50名を超えるエネルギー事業に従事されている多くの方にお越しいただきました。13社のピッチでは、各社、自社技術やサービスの優位性、日本市場との親和性をアピール。長時間にわたることから入退場を自由にしていた本イベントですが、多くの方が冒頭からネットワーキングの場として用意していた懇親会まで熱心に参加してくださいました。
ENECHANGEが開催する理由
ENECHANGEグループは、日本のエネルギー市場でプラットフォーム企業として事業を展開するENECHANGEと、イギリス・ロンドンを拠点に世界市場にエネルギーデータを活用した事業を展開するSMAP ENERGY社で構成されています。日英のエネルギー市場に精通したグループだからこそできる取り組みとして、日英のエネルギー企業のマッチングを目指すエネルギービジネスイノベーションプログラム「Japan Energy Challenge」(JEC)を2018年から開始。その取り組み内容や実績を評価したイノベートUKが、今回の訪日プログラムの一部として、GBIPの企画運営をENECHANGEグループにお願いできないものかと相談を受けたことが始まりです。
JECは、ENECHANGEグループだからこその2つの優位性をフル活用して組み立てられたプログラムです。1つは、日本のエネルギー市場への精通とエネルギー事業者との幅広いネットワーク。これは電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」の運営や、エネルギー業界に山積する様々なデータをエネルギー事業者の皆様に有効活用していただくためのツールやサービスの開発提供で培った財産です。2つ目は、SMAP ENERGY社が有する欧州エネルギー市場のリアルタイム情報と、いちスタートアップとして欧州で開催される様々なアクセラレータープログラムで勝ち取った実績や経験、更には参加することで得た欧州スタートアップとの横の繋がりです。マッチングする両国の事情に精通しているからこそ、場のご提供だけをするのではなく、事業の整合性の分析、希望によっては人材育成を兼ねた英国派遣までを一手に担い、マッチング確度を上げるための多角的なサポートを可能にしています。
世界先端を行く日本のエネルギー市場
ウェルカムスピーチには、弊社代表の城口洋平が登壇しご挨拶させていただきました。
日本の巨大エネルギー市場の現状をスマートメーターの設置台数や状況、その先のデータ連系についてなど、自由化後の整備がどの自由化先進国よりも進んでいて、様々なエネルギー領域において受け入れる準備が整っていることをアピール。加えて、世界の潮流でもある脱炭素化社会に向けて、日本企業が求めているビジネスについて具体的なお話しさせていただきました。
続いて、「イノベートUK」のエネルギー責任者、マーク・トンプソン氏が、機関が担う役割や目指す方向について説明いたしました。
イノベートUKは、脱炭素化社会に向け、資金提供を通じた事業支援と、エネルギーをはじめとした各分野においてイノベーションの加速を支援する英国政府機関で、国内外を問わずイノベーター同士をつなげることに重要課題と捉えており、今回、同じ島国で自由化した市場である日本にその機会を求め、自国のエネルギー分野で有望なスタートアップ13社を率いて来日しました。GBIPの前後には、英国大使館でのイベントやENEXの見学機会も設定するなど、マッチング機会を求め勢力的に活動されていました。
今回の訪日をどれだけ心待ちにしていたかを表した写真がこちら(会場には笑い声が)。
“ Passion to ENERGY!! “
会場で注目された4社をご紹介
来日した13社は、事業レベルに差はありますが、脱炭素化社会を目指すこれからのエネルギービジネスに不可欠な技術やサービスを開発し、協業・提供先を求めています。
家庭向け蓄電池メーカー、蓄電池リサイクル、IoTプラットフォーム、需給管理システム、デマンドレスポンス、バーチャルパワープラント、ブロックチェーンなど、様々な技術を披露する中、会場で注目を集めていた4社をご紹介します。
POWERVAULT
JEC2018の最優秀企業にも選ばれたPOWERVAULT社。同社は、英国発の家庭用蓄電池メーカーとして低価格の家庭向け蓄電池システムを開発しており、太陽光発電による電力やオフピーク時間帯の安い電力を蓄電し使用することで、需要家が安い電気を使用することが可能になります。据置型モジュール、複数のスマート機能、オープンAPIを備えたオールインワンのシステムを持ち、スマート制御装置を相互制御することで、市場をリードする収益性の提供が可能です。すでに欧州では複数の業界初となるサービスを提供しており、家庭用エネルギー貯蔵システムを家電製品の1つのような存在にすることを目指しています。
URBANCHAIN LTD.
ブロックチェーンを活用したエネルギー取引プラットフォームを持つ企業です。リアルタイムスイッチング、請求処理の自動化、電力管理の最適化という3つの特徴がエンドユーザーのエネルギーコスト提言への貢献が可能、また、同社のプラットフォームは変更の自由度が高いため、世界各国の市場状況に応じてカスタマイズができることをアピールしました。同社は、エネルギー市場において、ブロックチェーンやAIテクノロジーの設計・開発・普及をリードする企業となることをミッションに掲げ事業の開発・展開を行っています。
Polysolar
ケンブリッジを本拠地とする建物一体型太陽光発電ガラスを開発・製造。同社はJEC2018開催時に、日本のエネルギー企業に対し自社のプレゼンをしてくれた企業でもあります。透明の建築用PCガラスは、建物の景観や構造健全性に影響を及ぼさずに、ビルや構造物そのものを発電所に変えることができることが可能です。さらに遮音効果だけでなく省エネ効果も期待できる製品を提供しています。
GenGame
電力会社が提供するデマンドレスポンスやTOUなどの消費者向けサービスにゲーミフィケーションの要素を取り入れた独自のアプリ開発を行う企業。エネルギーデータにゲーム性を持たせることで、既存顧客の維持が期待できるだけでなく、エネルギー削減効果も出るとのことで、導入実績でも、ピーク時に約10%のエネルギー削減効果があったという結果も出しています。他にもV2GやEVからのスマート充電などエネルギー効率化に向けた取り組みをアプリを通して行っています。
これからも日本と英国の架け橋に
今回のイベントでは、ENECHANGEグループにとっても新たなUKスタートアップ出会い、更なる横の繋がりを強化できる機会になりました。そして参加してくださった企業の皆様との有意義な接点の機会となっていれば幸いです。
「エネルギーの4D」※、これらがきれいに実現されたエネルギーの未来。
ENECHANGEグループは、この先も最先端の技術力とグローバルなネットワークを活用して、エネルギーの未来をつくる、そうした仕事に取り組んで参ります。
※エネルギーの4Dとは…ENECHANGEグループでは、エネルギー業界の潮流をDEREGULATION(自由化)、DIGITALISATION(デジタル化)、DECENTRALISATION(分散化)、DECARBONISATION(脱炭素化)の4つに整理し、事業領域に定めています。