エネルギーアイディアソン「JEC2019ユースカップ」の開催報告
- 広報ブログ
エネルギー業界の横断的な取り組み
言葉通り梅雨の晴れ間となった6月21日と7月5日の2日間。エネルギーアイディアソン「JEC2019ユースカップ」を開催し7社31名が、チーム優勝を目指して熱い議論を繰り広げられました。
今回のアイディアソンは、ENECHANGE主催・東京ガス共催で展開する「Japan Energy Challenge」の2019年スポンサー各社の新規事業開発・R&Dに携わる若手社員を対象に、企業の枠を超えた混成チームのもと、日本の抱えるエネルギーの課題解決に向けた新しいアイディアを創出する力をつけ、業界横断的なネットワークを広げることを目的とし開催しました。
会場は東京タワーが一望できる東京ガスさんの新オフィス
エネルギーアイディアソンの会場は、東京ガスさんのご厚意でご提供いただいた新オフィスのオープンスペース。黄・青・グレーのソファがたくさん並べられた開放感あるスペースで、社内外の方の出入りもあるオフィスエントランスに位置しているため、「何をやってるんだろう?」「おもしろそうなことかな?」と立ち止まる方もいたりと自然と観客が増える、そんなステキなスペースを活用させていただきました。広報を含む運営スタッフ的には、青のソファはガス「パッチョ」、黄色のソファは「電パッチョ」をイメージしてソファカラーを選択されたのではと思っています◎
1日目は情報インプットとチームディスカッション
今の事業ドメインから離れて考えてみよう
1日目の午前中は、基調講演としてエネルギー業界の大先輩方から、「エネルギーのこれから」について、それぞれのお立場からお話をしていただきました。その後、東京ガス執行役員の門正之さん、U3イノベーションズ共同創業者・代表取締役の竹内純子さん、伊藤剛さん、そして当社の代表取締役会長城口の4名で、このあと控えているチームディスカッションにも役立つ話をパネルディスカッション形式でお話しいただきました。皆さんからのアドバイスはこんな感じです。
写真)左からU3イノベーションズの伊藤さん、竹内さん、東京ガスの門さん、ENECHANGE城口
面白いアイディア創出のためにはエネルギーオンリーで考えてはダメ
今の事業ドメインから離れて考えて発想を広げよう
今のエネルギー構造が20年後、30年後、継続しているとも限らない、1歩2歩先を読んだ考え方をやわらかい頭で考えてみてほしい
さらに、今回のようにメンバーの所属企業規模や事業ドメインが違う混成メンバーで仕事を進めるうえでの大切な視点についてもアドバイスをいただきました。
大企業の時間軸とそのリスク管理の範囲、スタートアップの時間軸とそこから見えるリスク範囲は違う。相手の立場に対するリスペクトや思いやりをもって進めていかないとうまくいかなくなると思う。自分たちの生きてきた世界の中だけでは語りきれないこともあることをお互いに理解し合い、チームで取り組んでほしい
簡単に気づけるようで、意識しないと実は気づけないとても大事な視点を指摘してくださったと感じました。
足りないのは人材の流動化
海外のエネルギーベンチャーには、大手出身者が設立している企業もたくさんあります。一方、日本は大手企業での働きやすい環境もあるのだろうけれど、エネルギー業界においては人材が流動的ではないのが現状です。(「決しておすすめしているわけではない」という前置きがありつつ)豊かな生態系のためには、そういうことも起こってもいいのではないでしょうか
という、さらに1歩踏み込んだお話も出ました。ENECHANGEで働く仲間には、エネルギー企業出身者も増えてきました。同業他社で培った視点やノウハウは、新たなかたちで、わたしたちが開発・提供するサービスやプロダクトに反映され、それはまわりまわって、小売事業者や消費者へ還元できているのではないかと思っています。
※U3イノベーションズの竹内純子さんもアイディアソンの様子をU3イノベーションズの「創業者ブログ」で紹介してくださっていますので、是非ご一読ください◎
ランチもチームで◎
11:30
さて、いよいよランチタイムです!事前にチーム分けはお知らせしていたものの、お互いの顔と名前が一致したのはこの「ランチタイム」でした。自己紹介やお互いの日頃の業務についてなど、お弁当を食べながら話すことで、メンバー同士打ち解けるきっかけになってほしいという思いをこめてセッティングしました。
海外ベンチャーを様々な視点で分析し、日本市場に誘致せよ!
12:30
午後のチームディスカッションが始まりました。各チーム2週間後のプレゼンに向けて真剣に取り組みます。
各チームには事前に課題のベンチャー企業の分析資料を情報として共有。それぞれ読み込んできていたであろう情報に自分の考えやアイディアを乗せて、チームメンバーと議論を進めます。
ホワイトボードに要件を書き出して整理するチーム、まずはじっくり分析資料について話をまとめ方向性を探っていくチーム、ポストイットを活用してブレストからスタートするチームなど、運営スタッフとして各チームの様子を見て回って感じたのは、自然とリーダーシップを発揮する人が現れてチームをまとめて行く人がいるチーム、メンバー並列で和やかに会話を進めながら答えを導き出そうとするチーム、反対に意見をぶつけあいながら議論をすすめるチームなど、こんなにも短期間でチームの個性がでるものなんだなと感じた時間でもありました。
17:30
朝からインプット&ディスカッションと続いた1日目が終了。ディスカッション後は、飲みニケーションに突入し、横の繋がりをさらに深めていったようです◎
プレゼンまで2週間の平均打ち合わせ回数は2.7回
終了後に行ったアンケート結果から、各チームどのようにアイディアをまとめていったのかを見てみました。
プレゼンの準備に費やした時間については、実に半数が「10時間以上」と、通常業務を抱えながら真剣に取り組んでくださったことがわかります。今回の参加メンバーには、関東以外のエリアから参戦してくださった方もいらっしゃいましたので、簡単に集まれないチームもあるなかで、どのように話し合いを進め、資料にまとめていったのかを聞いてみたところ、実際に集まって打ち合わせをしたチームやスカイプとの組み合わせで打ち合わせを行ったチームが多かったようです。後日、具体的に聞いてみると「出張をくっつけて集まり、打ち合わせを行った」というチームもあったようです。
Q.チーム全体での打ち合わせ回数
7チームによる成果発表会
プレゼン当日は、早く集まって最終確認をするチームもちらほら見られ、意識の高さが伺えました。運営チームも最後の準備を整え、準備万端で参加者の皆さんをお迎えしました。この日は、各チームの審査員として4名のエネルギー業界大先輩の皆さまにもご参加いただきました。
手前からU3イノベーションズ代表取締役の伊藤さん、ENECHANGEの城口、サミットエナジー代表取締役社長の小澤さん、東京ガス執行役員の門さん
今回のアイデアソンでは、参加者の皆さんにも1人1点の持ち点をお渡しし、良かった他チームへ投票してもらうようにして、他チームのプレゼンもしっかり聞いてもらえるようにしてみました。
7チームが取り組んだベンチャー企業は、いずれもエネルギー業界で注目されているサービスやプロダクトを提供するベンチャーです。
- EV充電設備
- 太陽光発電
- 蓄電池制御システム
- 電力需給調整
1日目のパネルディスカッションで出たアドバイスを受け、プレゼンでは、若手ならではの自由な発想をベースにした戦略で日本市場への展開を考えた案や、混成チームだからこそ出たであろうアイディアをベースにした事業モデルなど、質の高い内容が提案され、審査員の評価も高いプレゼン合戦が繰り広げられました。一方で、経営者視点での厳しい質問も多く投げかけられましたが、チームみんなで助け合いながら一つ一つの難問にも回答していたのが印象的でした。
発想力とニーズへの期待が想像できる!
優秀賞を受賞したのはこの2チーム!
☆E→Linear GO
リアルに実現できそうなビジネスモデルで日本の文脈にきちんと落とされていたことや、実際にニーズがありそうと審査員からも高評価でした。ちなみに、出張を組み込んで打ち合わせの機会を作ったのはこのチームでした!
その成果が、圧倒的な票を集め見事1位を勝ち取ったチームです◎
☆TicoLab
着眼点の良さと、実際にニーズがありそうなビジネスモデルの構築が高く評価されました。そしてそして、チーム写真の通り、このチームは、スライドのクリエイティブ力がとても高かったです!(残念ながらそこは評価対象にはならないのですが、、、)
成果を出し切ったあとのビールは最高!
2週間を乗り切って、成果を出し切ったあと、参加者の顔は晴れ晴れしていたように見えました。
懇親会で印象的だったのは、会社ごとで固まらず、チームで固まって飲んでいた人が多かったことです。運営チームとしては、期待する効果の1つに掲げていたことなので、こういう光景を最後に見られたことはとても嬉しい結果でした。参加してくださった皆さん、本当にお疲れさまでした。会場をご提供いただき、準備も含めて多大なるご協力をいただきました東京ガスチームの皆さんには心より感謝申し上げます。
JEC本大会は8月が本番!
JEC2019ユースカップは無事に終了ましたが、Japan Energy Challengeの本大会はこれからが本番。8月にロンドンで開催します!こちらもENECHANGEグループロンドンチームと日本チームがしっかり準備を進めています。後日、こちらの様子もレポートする予定にしていますので楽しみにしていてください◎