ENECHANGE プラットフォームサービス SMAP (Smart-Meter Analytics Platform)編 1.収益性分析
- SMAPサービス紹介
エネルギービジネスを変革するクラウド・AI技術として提供しているサービス、それがSMAP(スマップ:Smart-Meter Analytics Platform)です。SMAPで提供できるサービスの詳細をシリーズで展開していきます。
第1回目は、SMAPの「収益性分析機能」についてご紹介します。
SMAPが提供するサービスとは
2016年4月の電力自由化開始以降、30分値で電力データを取得できるスマートメーターの導入が、2020年代前半までには全世帯に設置が完了するスケジュールで進められています。これにより、取得できるデータ量は従来の1,800倍になります。この膨大で有益な電力データを活用したサービスがSMAP(スマップ:Smart-Meter Analytics Platform)です。SMAPでは、収益性分析サービス、Simulatorサービスを中心に電力小売事業者のニーズに合わせた様々な機能を提供しております。
図:SMAP提供サービス一覧
SMAP収益性分析機能とは
SMAP収益性分析機能は、需要家・代理店・営業担当・業種・エリア毎の電力使用量、費用・売上等を可視化し、分析を容易にかつ戦略的に行えるようにすることで、スムーズな経営判断と営業部隊の効率的な活動を支援し、収益環境をいち早く改善することをサポートします。
電力小売事業者が抱える問題
電力小売事業者が管理するデータは、膨大な顧客の売上・費用や契約情報など多岐に渡ります。事業者の中には、需要家の収益を月次・エリア別などの粗い単位でしか見られておらず、あるエリアで収益性が低下した場合でも、どの業種・需要家のどの要素が原因がかわからず、的確な経営判断・効果的な営業活動ができていないケースがあります。
SMAP収益性分析が提供する価値
1.エリア・業種・代理店・営業担当者毎に可視化、戦略的な営業施策を可能にします
SMAP収益性分析では、電力小売事業者の売上・コスト等の各種データをエリア・業種・営業担当者・代理店毎に表示し、それぞれの月次推移と数値詳細を確認することができます。例えば、代理店ごとの売上項目(契約売電単価など)、コスト項目(託送・買電費用など)を個別に確認することで、収益性が低下している代理店が、どの要因(調達コスト・売電単価等)でそうなっているのかを特定・把握し、収益性改善のための戦略的アプローチを実行することができます。
2.収益性を需要家単位で表示し、需要家別の効果的なカスタマイズ施策を可能にします
SMAP収益性分析なら、収益指標を需要家ごとに表示できます。例えば、需要家の利益分布図によって赤字の需要家を特定し、それぞれの需要家の電力調達コスト・設定売電単価を容易に確認することが可能になります。そのため、単価交渉をすべき需要家の特定や単価設定など、需要家ごとに効果的な施策を実行できます。
3.最適な託送プランの特定によって、より安価な料金プランの提案を可能にします
託送料金プランには、標準託送・時間帯別託送の2プランがあり、需要家の電力消費動向(昼夜の電力消費など)によって最適な託送プランが異なります。一方で、適切な託送プランを選択しておらず(もしくは、知らずに)、割高な料金となっている需要家も多いのが現状です。SMAP収益性分析では、需要家の電力消費動向からどちらの託送プランがお得なのかを自動的に算出し表示します。つまり、お得な託送プランをご提案することで、電力小売事業者は利益を維持しつつ、需要家に対してより安価な料金プランの提案が可能になります。ENECHANGEの実績では、0.02円/kWhのコスト削減効果(高圧・低圧需要家)があったと試算されています。
SMAP収益性分析による成功事例
SMAP収益性分析機能をご利用いただいたお客さまからは、多くの高い評価を頂いております。
赤字需要家への戦略的アプローチによる収益性の大幅改善(英国 EDFエナジー)
SMAP収益性分析を用いることで、需要家の約24%が赤字で、さらに全体の利益を約41%も圧迫していることがわかりました。そこで、赤字顧客にフォーカスして単価交渉や契約停止など効果的な営業施策を行うことによって、短期間で大幅に収益を改善することができました。
黒字需要家の特定による、戦略的顧客防衛(国内新電力大手)
SMAP収益性分析を導入してからは、赤字顧客を把握するだけでなく、黒字顧客の特性も把握することができるようになりました。黒字の顧客の中には、価格競争が激しくなる以前からの長いお取引のあるお客様が多く、そうしたお客様の方が利益率も高いことがわかりました。そのため、戦略的に営業施策をとって重要顧客防衛を重点的に行うことで、収益性を確保しています。
託送プランの最適化により収益性を向上(国内新電力大手)
SMAP収益性分析の託送料金最適化によって、需要家の約1/3が高い託送プランでご契約されていることが判明しました。その需要家のプラン切り替えを推進することで、よりお安い料金プランをご提案しつつ、粗利額も増加させることができました。その他SMAP収益性分析による収益最適化も合わせて、大幅な粗利増加を達成しました。