ENECHANGE プラットフォームサービス: SMAP (Smart-Meter Analytics Platform) 2. Simulator機能について
- SMAPサービス紹介
エネルギービジネスを変革するクラウド・AI技術として提供しているサービス、それがSMAP(スマップ:Smart-Meter Analytics Platform)です。SMAPで提供できるサービスの詳細をシリーズで展開していきます。
第2回目は、SMAPの見積もり業務効率化サービス「Simulator機能」についてご紹介します。
第1回: SMAP収益性分析機能のご紹介
SMAPが提供するサービスとは
現在、30分値データを取得できるスマートメーターの導入が全国で進んでおり、2020年代前半までには全世帯に設置が完了する予定です。これにより、取得できるデータ量は従来の1,500倍になります。この膨大で有益な電力データを活用したサービスがSMAP(Smart-Meter Analytics Platform)です。SMAPでは、主に収益性分析サービス、Simulatorサービスをご提供しており、電力小売事業者のニーズに合わせた様々な機能を提供しております。
図:SMAP提供サービス一覧
SMAP Simulator機能とは
新規顧客への料金プラン見積り作成時に、AIによって導き出された精度の高いロードカーブを用いることで、より正確に・効率的に業務を実行できるツールです。SMAP Simulatorで用いているロードカーブは、英国ケンブリッジ大学における長年の研究と10,000件を超える高圧電力需要家のデータを、AIを活用してクラスタ解析することで、業種・月・曜日別により高精度なものに進化し続けています。そのため、限られたデータしか持たない新規顧客に対しても、高精度なロードカーブを用いた競争力のある料金プラン・単価の提案ができるため、強力に営業パーソンの業務をサポートします。
電力小売事業者が抱える問題
1.精度の低いロートカーブ、収益性の低い単価設定
電力小売事業者の中でもいわゆる新電力は、保持する顧客データが少ないため正確なロードカーブを持っておらず、新規顧客に対して適切な単価設定をできていないケースが多くあります。そのため、新電力の収益性が低下するうえに、需要家に対しても高い電力料金を請求していることにもなっています。
2.調達コスト変動の想定不足による予想外の収益性低下
電力小売事業者は、買電単価・買電量に応じて複数の電源から電力を調達しています。しかし、様々な調達コストの変動を想定した調達計画や売電単価設定をしていないため、予想外の調達コストの変動があった場合に、大きく収益を悪化させてしまうケースも多く発生しています。
3.増加する見積もり工数
多くの電力小売り事業者は、新規顧客への見積もりを表計算で行い手動で単価・料金プランの設定などをしているため、多くの工数・コストがかかっています。顧客のスイッチングが進む中、多くの見積もり工数がかかっていることは、営業部隊にも大きな負担となっています。
SMAP Simulatorが提供できる価値
1.高圧見積もりにかかる作業を最大80%削減できます
SMAP Simulatorは、高圧需要家の見積もり作成に必要な業務の最大80%を自動化することで、見積もり作業の効率を大幅にアップすることができます。また、全てをクラウド化することにより、スマホからの見積もり作成・閲覧も可能になり、本社・営業所・代理店などの様々な関係者による見積もり作成から承認業務までのフローも効率的に管理(アカウント毎の権限付与)することができるようになり営業効率を劇的に改善します。それにより提案の現場での見積もり再提案を行うことも可能になるため、現場営業パーソンの提案力を高めることも可能になります。
2.高精度なロードカーブによる他社に負けない単価設定を可能にします
SMAP Simulatorでは、英国ケンブリッジ大学における長年の研究と10,000件を超える高圧電力需要家のロードカーブのAIクラスタ解析によって得た、業種・曜日・月毎の正確なロードカーブを保持しています。それをシミュレーションに用いることで、電力需要家の電力使用実態に応じた他社に負けない料金プラン・単価設定ができるとともに、現行プランと比較した削減率も同時に確認できます。
3.複数の電力調達シナリオを想定した単価設定を可能にします
SMAP Simulatorでは、複数の電力調達シナリオを設定でき、実際の市場動向を想定した原価シナリオから調達コストを複数想定することができます。そのため、電力小売事業者の調達戦略や今後の電力調達市場動向より、より現実に近い調達コストをシミュレーションの前提として設定できます。
SMAP Simulatorによる成功事例
SMAP Simulatorをご利用いただいたお客さまからは、高い評価を頂いております。
見積もり工数の削減、説得力のある単価設定(国内新電力大手)
「SMAP Simulatorを本社の営業部で使用するようになってから、効率的に見積もりを作成することができるようになりました。また、単価設定も業種毎のロードカーブをもとにでき、単価交渉の下限もわかることから、単価交渉も効率的に行うことができます。」
図:SMAP Simulator ロードカーブ設定画面