テクノロジーでエネルギー革命を推進する会社、ENECHANGEがCTO交代で目指すのは「ダイヤモンド型構造」でつくるエネルギーの未来
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2020年1月、エネルギーテックのENECHANGEに新CTOが誕生しました。当社の前進となるイギリス・ケンブリッジで設立したケンブリッジ・エナジー・データ・ラボ時代(以下、CEDL)から参画し、今のENECHANGEを技術で作り上げた白木敦夫から、遅れること10カ月後にジョインし技術面で白木とENECHANGEを支えてきた田中真之に交代しました。
2014年、ENECHANGE株式会社(当時の表記は「エネチェンジ株式会社」)が設立される約1年前に日本初の電力比較サイト「エネチェンジ」を世に送り出した当時から、会社の成長とともにCTOに求められる役割も変わってきました。サービスやプロダクトをアジャイル開発しながら、共につくり上げる仲間を採用するというステージから、複数にまたがるチームを束ね、チーム間のコミュニケーションを円滑にし、より強固なエンジニアチームを構築するためのまとめ役が必要になりました。白木から田中へのバトンタッチについて対談インタビューを通してお伝えしたいと思います。
白木 敦夫
前CTO。2014年、ENECHANGEの前身であるケンブリッジ・エナジー・データ・ラボ時代からCTOを務める。
田中 真之
現CTO。代表の有田と同じGREEでエンジニアとして活躍したのち、2014年6月に日本採用で2人目の社員としてENECHANGEの前身であるケンブリッジ・エナジー・データ・ラボにジョイン。リードエンジニアとして設計・開発からプロジェクトマネージャーまでを幅広く担当。
ゼロからのスタート、エネチェンジができるまで
比較サイト「エネチェンジ」はアイディアのひとつだった――
CEDLはイギリスのケンブリッジで誕生した研究機関で、エネルギーに紐づいたデータを活用していろんな研究をしている中、電力比較サイト「エネチェンジ」のアイディアが誕生しました。それと同じころ、日本では、2011年に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故を契機にした電力システム改革の見直しが閣議決定され、2016年に「電力自由化が始まる」ということがほぼ決まってました。イギリスは、先行して電力が自由化されていたので、すでにいろんな自由化関連サービスで溢れていて、その中のひとつに電力会社の比較サービスがあったんです。実際に電力会社を選択するツールとして利用する中で、利便性や必要性を体験し、サービス提供会社の事業が拡大している様子も見ていたので、日本で2年後に開始されるであろう電力自由化に備えて、日本向けのサービスを開発しようとなりました。
創業フェーズで求められるCTOスキルとは――
一定のスキルとクオリティとスピード感をもってプロダクトをつくれること、必要なスキルセットを持ち合わせた人材の採用をきっちりやれる人が求められると思いますね。僕はそこがCTOとして抜擢されたポイントだと思ってます。イギリスベースで開発をスタートさせたので、日英で同時に採用もはじめました。イギリス側で3人採用し、日本側で最初に採用したのが、エンジニアのターナー(田中さんの愛称)と今の比較サイト「エネチェンジ」の顔づくりとUI・UXを設計してくれた草間さんですね。
組織づくりで意識していたことは――
「エンジニアが働いて楽しい会社にしていきたい」という思いが根底にありましたね。それは、「いいものをつくっている」「コードベースがきれい」「学べていると感じられる場所がある」だと僕は思ってます。学べる場としては「テックトーク」という社内勉強の場を設けました。事業部横断的に全エンジニアが参加できる勉強会で、前半では希望者が技術的なトピックについて発表を行い、後半では障害の共有をしたり、イベントがあればその告知をしたりと、そんな場を月2回ペースで開催してきました。そこから派生して、今は、社外のエンジニアも参加できるエンジニア向け勉強会「Otemachi.rb」も定期開催されるまでになりました。そんな中でも、信念としてひとつ持ち続けたのが、「エンジニアだけを優遇した組織づくりはしたくない」ということですね。組織やルールをつくっていく中で、もちろんエンジニアの気持ちを汲んだ提言はするようにしてきました。だけど、「エンジニアだけ、〇△※□」とかはやりたくなかった。
信頼感と技術力が半端ない!
新CTOへバトンタッチ、期待することは――
ターナーは、エンジニアとしての基礎力(技術力)がものすごい!さらにエンジニアからの信頼もあつい!流行りの情報を知っているという人よりは、エンジニアとしての基礎力があることが大事だと思ってます。基礎があれば新しい技術はすぐにキャッチアップできるし、ターナーにはそれができる。そしてそれをしっかりENECHANGEに広げていってほしいと思ってます。
新CTOが目指すのは、ダイヤモンド型の組織づくり
どうやってつくりあげる――
ENECHANGEは「ダイヤモンド型構造」にしていかなければいけないフェーズにあると思ってます。複数に広がったチームのメンバーとともに体制を整えて進むべき方向に進めるようにしていくのです。ラグビーでいうところの「ワンチーム」ですね(笑)ラグビーもそうですが、プロスポーツは、個々が責任をもって自分の実力を発揮していくことでチームとしてさらに強固なものとなりますよね。でもこれって、実力のある人を集めただけだと勝てないんじゃないでしょうか。そこには必ず個々を束ねて1つの方向に導く役割の人が必要だと思ってます。それぞれが自分の仕事に誇りをもって取り組めるようにしつつ、しっかりダイヤモンド型になるように整えるということを意識して取り組んでいきたいと思ってます。だからみんなとも話したい。1on1をやりたい。今のENECHANGEの規模ならまだそれができる。
ENECHANGEバリューを実現していくために――
白木さんが、これまで採用と組織づくりをがんばってくれたおかげでENECHANGEには優秀でいろんな役回りができるエンジニアが集まっています。だからこそ「信頼して任せる」ということが大事かなと思ってますね。役職という意味でのポジションに関係なく、自然とマネジメントができるメンバーへと育っていたりと、いいサイクルが回り始めていると感じています。それを維持しつつさらに発展させていくのが僕の役割だと思ってます。そして、そのひとつ先にはひとつのチームが担っている取り組みを、他のチームにも展開するとかチーム間の取り組みをオープンにすることでできるであろう、より強固な組織づくりにも取り組んでみたいですね。僕が目指すことは2つ。
“障害未然防止を実現する体制をつくる”
“品質の向上と開発効率の両面を実現できる体制をつくる”
※ENECHANGEメモ:ENECHANGEでは「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げ、それを達成するために3つのバリュー(行動指針)を設定しています。Impact Driven:インパクトがあることをやる。Go Agile:まず実行し、結果から学ぶ。 Be Open:オープンであれ。この3つのバリューが事業設計、個人の目標設定の柱になっています。
新体制で目指すエネルギーの未来
全従業員の約半数がエンジニアのENECHANGE。電力自由化に向け「電気を選ぶ」を常識にする会社として立ち上げた電力比較サイト「エネチェンジ」に始まり、電気・ガス小売事業者向けには、業務・営業の効率化をサポートするツールや顧客獲得に向けたマーケティングプラットフォームを開発提供してまいりました。さらに現在では、自由化以降設置が進むデジタル式の電力量計「スマートメーター」のデータを活用したサービス開発などにも積極的に取り組んでいます。「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げ、それを技術力で形にしてきたエンジニアチームはENECHANGEの財産です。これからも世界のエネルギー革命を推進するために、新CTOのもとより強固なチームと技術力で取り組んでまいります。